丁度1年前に頂いた体験搭乗権を消化しに、山梨県の韮崎市航空協会を訪ねました。
学連の息がかかっていない滑空場は国内では初めてで、韮崎の環境と、社会人クラブの活動の様子についてレポートします。
長くなったので簡潔にまとめますと、
・素晴らしいコンディション
・必要十分のフリート構成
・若手大歓迎
で、非常に魅力的な場所でした。
学連を卒業した後に飛び続ける選択肢になり得ると感じました。
まずは韮崎滑空場について簡単に。
山梨県の中央にある甲府盆地の北西部、富士川の支流である急流釜無川の河川敷に設けられたグラスランウェイの滑空場。
北は八ヶ岳、西は南アルプス、東は奥秩父山地、南は富士山と、四方を山に囲まれ、シーズンを通して南風卓越時はリッジが、強い北西風では南アルプスのウェーブが見込まれる。
周辺に空港がなく、空域の上限高度が実質ない。
長野市滑空場と並んで国内で最もソアリングコンディションの良い滑空場の1つ。
続いて韮崎市航空協会。
所有機はG102 Club Astir IIIb、SZD-48-1 Jantar Standard 2に加え、日本航空学園のL-23 Super Blanikを共用。
来春には新たにSZD-54 Perkozが加わり、複座/単座練習機から高性能機までフリート構成が充実。
韮崎滑空場および格納庫を間借りしている日本航空学園の双葉滑空場をベースに、航空学園所有のHuskyによる飛行機曳航で飛んでいます。
会員の絶対数は少ないにも関わらず、機体、教官共に十二分、若手からベテランまで揃い、恵まれた環境と思います。
特に若手は厚遇されるようですので、詳しくは協会HPをご覧ください。
ここから個人的な感想。
自分が訪れた週末は、前線の影響により予想に反して対流に恵まれず、ソアリングは大して経験できませんでした。
前の週はとても良かったとのことで、間の悪さが悔やまれますが、新しい機体、場所、環境で、久々に新鮮な気持ちで飛べました。
平地育ちのグライダーパイロットが山飛びに挑戦するのは少々勇気と知識が要りますが、するだけの価値があると思います。
現状複座がブラニクのみというのが唯一ネックですが…(笑)
性能はともかくその操縦性がいけ好かなかったので、新しい機体に期待ですね。
今年中は週末の予定に空きが少なく、体験だけさせていただいて入会せずに帰ってきてしまいましたが、年度が変わる頃にお札1枚の入会金を携えて再訪するつもりです。
新入会員からのレポート(PDFファイル)
長くてリッチな一日(平成27年3月8日(日曜))
朝3:20起床、WXチェック、昨日と変わらず韮崎ピンポイントは朝曇り、昼晴れ、夕方曇りの予報だ。天気図は東海沿岸に低気圧が2つ、レーダーアメダスをチェックしても東海から千葉まで雨模様。只、南アルプスは雨だが甲府盆地は降ってない。4:00家を出て千葉駅へ歩く。千葉は霧雨である。韮崎の状況を心配しつつ、千葉駅4:31分始発の電車に乗る。もし、甲府の天気が悪いなら引き返すつもりで、電車を乗り継ぎ、八王子で松本行き普通電車に乗り換える。笹子までは山は霧に包まれており、甲府盆地はどうかと心配になる。やっと甲斐大和から、勝沼へ出て甲府盆地が雲の下に見える。視程は5k以上、雲低も大丈夫そうだ。甲府から先は、視程も良くなり、気持ち雲低も高くなった気がする。只、朝日山の頂上は霧で見えない。しかし、時間が経てばこの分では訓練できそうだ。出発から4時間半、やっと塩崎駅に着く。いつも駅にKさんが車で待っていてくれる。いつもいつも大変有りがたく感謝しています。
学生11人?、社会人5名、教官3名、全員回すのは厳しいかもしれない。北の風6kt
R/W33,Hさんと先に韮崎滑空場へ行き、準備。吹き流しの近くに不審な家族が。。。犬の散歩か?。注意しに行こうと思いきや、犬が首輪を外してあり、私の方へ吠えながら近づいてきた。。。家族に訓練開始を説明し、出て行ってもらった。いつものピスト場所に机・椅子・荷物をおろし始めたが。。。ん。。待てよ。風が北。ピストが違うではないか。。。気を取り直してピスト移動。
無事、一機目着陸を支援できた。最初のフェリーが10時半で少し出遅れたが、順調に訓練開始となる。すぐに昼食、今日の昼は青竹食堂のラーメンとなった。
お昼から徐々に南側には青空ものぞき始め、少し北風も強くなる。今年初めてのフライトで、おまけに久しぶりのR/W32なので、学生には悪いが2446(複座機)ソロで13:30に離陸。上空は厚い雲に覆われていて、雲低は1700m位か。上空を探索したが、平穏そのもの。。。。Kさんが2260(単座機)で飛んで山側に行ったが、何もなかった様だ。
滞空は諦めて2260の慣熟飛行でもと思い、単座での準備を行う。1時間後、2446の合間を縫って2:30に2260で離陸。曳航機に引かれ北側の船山橋を過ぎたあたりで上昇の気流を感じる。山側へ曳航され930mで離脱。離脱場所は目立った上昇は無いが、全体的に沈下が少ない。先ほどの韮崎市の平和観音上空へ向かう。少し上昇気流を感じ、緩い旋回で粘り始める。暫く粘ると1100mまで上昇。いつの間にか下にIさんの2446が旋回しているではないか。。。暫く一緒にガグル(蚊柱)していると、M教官から2446に向けて無線が入る。滞空できる様なら1時間を目指せ、現在、既に17分が経過しているとの事であった。じゃあ、私の単座は25分以上は経過していることになる。。。うふふ私もいけるかも。。今回は前回に比べて時間の経過が早いと感じられ、あまり苦戦してない。只、下で2446が回っているので、下手は出来ないプレッシャが襲ってきた。MAX1400m位が限界で、それ以上は如何しても上がれない、焦る間にサーマルを見失い1100m迄落とされ、2446と同高度になってしまった。技量の無さを悔やみ、韮崎市上空を離れ、三井金属上空へ向かう。ダウンウインド上の学校の北側でサーマル発見。。。1000mまで落ちていた高度を1300m迄回復できた。旋回中に2446が1時間経過の無線が入り、帰投の指示。だったら私も1時間経過だよ。。。
2446の着陸と次の離陸の後に、私も帰投する予定で、三井金属上空で時間を稼ぐ。
2446の次の離陸のコールで、早速、高度処理を行う。なかなか高度が下がらないので、ダイブを利用。もちろんギアもダウンロック。そのまま高めで、ダウンウインド32のコール。北風も静穏との事だったが、いつもより早い進入速度の為、少しロングになり、ブレーキコントロールで少しミスった。最後はかっこ悪かったが、飛行時間1+22でやっと念願の銅章が取れて、また、Iさんと同時受章で、こんな天気でも。。。いや、こんな天気だから滞空できたことの自然の不思議と運が良かったのと、皆さんのおかげで受章できたと心から感謝です。ありがとうございました。
因みに家に帰りついたのは、22時を過ぎていました。やっと一日、リッチな一日が終わりました。
2011年のゴールデンウィークは4/24、4/29、4/30、5/1、5/8をフライト日と設定して、フライトを実施しました。結果を総括すると、5日中4日がソアリングコンディションで1日が雨。 飛べなかったのは5/1だけでした。春特有の10000フィートのソアリングコンディションにも恵まれ、150km程度のクロスカントリーフライトが2回(三輪教官、木村会員)と1時間以上の滞空2回による銅章フライト(堀内会員)というトップシーズンならではの結果を残すことができました。(フライトのGPSデータ、解析データ: https://sites.google.com/site/olclocal/) 昨年9月に単座機のG102が日本グライダークラブ(板倉)にお嫁に行ってしまってから、当協会はSF34B一機で運航しています。継続的に次期機体導入の計画を検討していますが、なかなか国内の中古機の売り物も少ないということもあり、具体化できていません。ASK21、JanusB、DuoDiscusといった複座機か?リベレ、DG300、ASW20といったコストパフォーマンスの高い旧式単座機か?といった機種選定、円高を背景に思い切って2機まとめて導入すれば外国からの輸送経費が割安になるかもしれない!?、運航費用体系はどうするか?等々、意見がなかなかまとまりませんが、将来も考えながら楽しく検討中です。国内/国外でグライダー中古機の情報がございましたら、ぜひご連絡をお願いいたします。
2010年を振り返りながら、韮崎滑空場(甲府盆地)の年間の気象条件を紹介します。
<春>山岳上の積雲は雲底4000mに達することもあり、長距離山岳XCが可能なこの季節、長野、板倉等各方面から、八ヶ岳、南アルプスにグライダーが集まってきます。 2010年の当クラブは例年実施していたGWの合宿がなかったこともあり、3−5月の一番良い季節を活かす事が出来なかったのはとても残念でした。韮崎−金峰山−八ヶ岳−南アルプスのルートは既に確立されており、あとは酸素とトランスポンダです(笑)。
<梅雨、夏、秋>南風がコンバージェンスコンディションをもたらします。過対流でシャワーになったり、対流が一過性なこともありますが、100−200kmのXCは十分可能だと思います。2010年は例年より6−9月が良かったです。日曜日のみフライトをしていますがトップ2000m以上の日が3−4日はありました。特に7月25日のフライトではコンバージェンスストリート沿いに飛ぶことで、クラブアステアVbであるにもかかわらず、高性能機のような高速グライドを楽しめました。(写真)
<冬>風が強くなることも多いですが、北−西風優勢の冬型気圧配置でソアリングコンディションになります。西風と南アルプスのウェーブが研究課題となっています。2009年に引き続き、納会の翌日、地上では甲州名物「ほうとう」が振舞われた12月26日にウェーブフライトが行われました。南アルプスのウェーブは西南西の風と「ほうとう」に相関があるようです。
<まとめ>盆地なので年間を通して雨でフライトが出来なくなることも少なく、季節に応じて色々なソアリングコンディションを楽しめるのが韮崎の特徴です。毎週日曜日のんびり活動していますので、体験搭乗や見学に是非おいでください。
2005年9月17日、ホテル舟山において特定非営利活動(NPO)法人・韮崎市航空協会の創立総会と祝賀会を開催しました。当日は名誉会長の小野修一・韮崎市長をはじめ、会長の横内公明・山梨県議会議員、特別顧問の梅澤重雄・(学)日本航空学園理事長など、多数の来賓のご出席をいただきました。
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